矢野産婦人科

卵子・精子凍結保存Egg and sperm cryopreservation

医学的適用による卵子(未受精卵子)の
凍結保存

これまで受精していない卵子(未受精卵子)は、細胞として不安定で弱いため、凍結の刺激に耐えられず、保存が難しいとされてきましたが、近年の技術の向上により、高い生存率で凍結保存できるようになりました。

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悪性腫瘍(白血病や乳がん等)の治療により、医学的にみて卵巣機能が低下すると予想される場合があります。
抗がん剤や放射線治療の前に卵子を体外に取り出して凍結保存し、病気の治癒、婚姻後に、凍結保存された卵子を用いて体外受精を行うことにより、お子様に恵まれる可能性があります。
ご希望の場合は、ご本人でなくても構いませんので、一度ご来院下さい。

治療の流れ

  1. 必要最少量の投薬により卵巣を刺激して、複数個の卵胞を発育、成熟させます。
  2. 卵胞内で発育、成熟した卵子は、超音波ガイド下に卵巣を確認しながら、金属製の針を用い、経膣もしくは経腹的に卵巣の卵胞を穿刺し、卵胞液とともに卵子を吸引回収します。
  3. 回収された卵子は、ガラス化凍結手法であるCryotop法で凍結し、液体窒素中に保管します。
  4. 妊娠をご希望されるときまで、お預かりいたします。
  5. 凍結保管後、融解された卵子は、顕微授精で受精させ、分割期または胚盤胞期まで体外で培養し、子宮に移植します。
  6. 移植からおよそ2週間後に妊娠の判定をします。
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悪性腫瘍の方の精子凍結保存

悪性腫瘍に対する化学療法、放射線療法、骨髄移植、手術などの治療により、精子を作る機能が低下する可能性があります。
治療回復後に不妊症となる場合がございますので、当院では、治療前に精子の凍結保存を行い、お預かりしております。